無事ベラルーシビザを取得でき、出発の翌月曜日まで時間があるので週末を利用してシャウレイへ。
シャウレイの近くに無数の十字架が置かれている丘があることで有名である。
ヴィリニュスからシャウレイまで3時間かかり、
日帰り旅行で十字架の丘を訪れるにはタイトなので、シャウレイにのんびりと2泊する。
金曜日の午前11時にベラルーシのトランジットビザが貼られたパスポートを受け取り、
足早にホステルに戻る。
事前にバスステーションで調べておいた正午発のシャウレイ行きのバスを目指す。
ベラルーシ領事館から30分かけてホステルに戻り、
預けておいたバックパックを背負ってバスステーションに到着するとギリギリ正午前。
チケット窓口にて急いで正午発のバスチケットを買おうと思ったら、
その便は時間がかかる上に13ユーロ以上すると言われて13時発のバスにされてしまった。
急いで領事館から歩いてきた努力が意味なくなったものの、
13時発のバスはエクスプレスで3時間でシャウレイに到着するようだし、
8.9ユーロと安めでありがたい。
ちょうど1時間待ちなのでバスステーション2階のカフェで昼飯を食べる。
リトアニア料理で有名なツェペリナイ。
つくねのような肉団子をもちもちした食感のジャガイモで包んでおり美味い。
確かにロシアから来ると物価高のリトアニアだけだけれども、3ユーロなのでリーズナブル。
なぜか異様に混んでおり、あっという間に満席になったバスでシャウレイへ。
雪景色の車窓を見つつうとうとする。
すでに日が暮れた16時にショッピングモールに隣接したシャウレイのバスステーションに到着する。
雪が舞う中、ネット予約したTurne Guest Houseへ。
シャウレイはホステルがないので久しぶりにプライベートルームに泊まれるゲストハウス。
屋根裏でちょっと狭いけれど一泊12ユーロ(1400円)とヨーロッパにしては安いし、
バスルーム付き、部屋でもWiFiが速い。
思えばメキシコのパレンケ、キューバのカサ、ソウル以来のプライベートルームなので酒を飲みながら寛ぎたい。
あまりにも居心地よく、リトアニアの安いブランデーやハーブ酒を飲みすぎて本来の目的を忘れてしまいそう。
リトアニアはサラミもうまい。
降雪のシャウレイ到着日から一変、翌朝は快晴。
屋根裏部屋の天窓からのぞく青空にテンションが上がる。
バスステーションの窓口で十字架の丘行きバスのタイムテーブルをもらっておいた。
快晴とはいえ氷点下の極寒なので11時に行き、
14時3分のバスでシャウレイに戻るプランが良さそうだ。
シャウレイから十字架の丘まで10キロちょっと。
尚、十字架の丘はJoniskis方面途中のDomantaiにあり、乗車時にバスドライバーに伝えて降ろしてもらう。
片道0.8ユーロ。
閑散としたバスに揺られて15分くらいでDomantaiのバス停に到着する。
また、Domantaiに着いたからといって目の前に十字架の丘がいきなり現れるということはなく、
バス停から2キロ弱歩かなければならない。
夏場なら草原を見ながらの楽しいハイキングだろうが、
マイナス4度の世界で鼻歌など歌う余裕もない。
弱々しい太陽に照らされた雪原は沈黙一色。
並木道に沿った車道は雪が積もってなくて歩きやすい。
たまに自動車が通過していき、土埃のように細かい雪が舞う。
舞った雪が陽光に包まれ、ダイヤモンドダストのように綺麗だ。
寒い中、ただ一人雪原の間を歩くのも悪くないかもしれない。
雪原の真ん中にぽつんとたたずむ樹木に孤独感はない。
やがてそれらしきものが見えてくる。
すぐ近くに駐車場があるのが興醒めだが、観光地なので目をつむりたい。
正直言うと、旅仲間の投稿写真やネット画像でだいたいの雰囲気は分かっていたけれど、
実際に目の前で見ると凄みがある。
ヴィリニュスのホステルで出会った中国人がもらしていたガッカリ感はない。
昨日の降雪の影響もあり、雪化粧の無数の十字架がいい。
丘そのものは小さく、階段をちょっと登ればすぐに頂上にたどり着ける。
右も横も、前も後ろも十字架だらけで異様な光景である。
十字架の丘の発祥は不明らしい。
戦争で亡くなった人々への供養、平和への祈願のために多くの方が十字架を置きに来ているそうで、
今なお新しい十字架が増え続けているとのこと。
寒いからか観光客はほとんどいないけれども、祈りに来ているリトアニア人をちらほら見かける。
今年の夏、メキシコシティ郊外のソチミルコで見に行った恐怖の人形島と全く別の意味できた価値がある。
ヴィリニュスから片道3時間のシャウレイにわざわざ2泊し、
バスを降りて30分以上歩くだけの意味さえありそうだ。
つま先がかじかんで感覚がなくなってくるのも忘れて、
十字架の丘を上り下りしたり、雪で覆われた周囲を歩き回った。
午後2時2分のバスにあわせて惜しみつつ去る。
まだ一日の半分しか経過していないのに夕暮れ時のような西日の弱さ。
再び雪原を見つつ誰もいない道をバス停に向かった。
田舎道に立つようなバス停にて足の凍傷を心配しながら待つ。
バス停の近くに一軒家があり、
ホッホッホーと人の声が聞こえたので振り返ってみると、
なんとサンタクロースが現れた。
手を振ってもクリスマスプレゼントはもらえなかったけど。
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