ミンスクに一泊すると、夜行列車でウクライナへ向かう際に国境越え前に日付をまたいでしまい、2日間をオーバーしてしまうので、ミンスクの町歩き丸一日だけで我慢する。
2日間を48時間だと勘違いしていた旅仲間がミンスクに一泊した翌日、
夜行列車がベラルーシを出国する午前4時に国境で拘束されてしまい、
新たに列車チケットを買い直す羽目になってしまったそうだ。
午前6時20分のヴィリニュス発ミンスク行きの列車に乗るべく、雪と闇に静まり返った5時半過ぎにホステルをチェックアウト。
日が昇る8時過ぎまでまだまだあり、オレンジ色の街灯を頼りに駅に向かう。
暗くなってから新しい街に到着するよりも、暗い中新しい街に向かって出発する方が緊張する。
若干早めに駅に着いたので、待合室でしばらく待ってから15分前にプラットホームへ向かうと、
ミンスク行き列車が待つプラットホーム前に別入口があり、
リトアニア出国用のイミグレとなっていた。
早めに来ておいて正解である。
ビザ待ち、カウナスへの日帰り旅行、シャウレイと十字架の丘への週末旅行、とあっという間に過ぎ去ったリトアニアの旅が終わる。
ロシアからバルト3国に入り、わずか1週間でEUを出て、
次の1週間でベラルーシ、ウクライナ、モルドバを駆け足で廻れば、
人生5度目のヨーロッパ周遊は最短期間で終了。
寒いし日照時間が短いので十分だろう。
それにしても、ヨーロッパを訪れるたびに感じてしまうんだけど、
人と物が自由に行き来するEU諸国間の画一化が進むスピードが速くなっている。
まるでグローバリゼーションの縮図みたいに。
カフェやレストランの店員が若いイタリア人やスペイン人だったり、
ホステルのスタッフが長期滞在している西欧人バックパッカーだったり、
比較的安く食べられるのが中東や南アジアからの移民が作るケバブだったりする。
陸路で移動すると国境の煩わしさを感じることはないし、 統一通貨ユーロのおかげで両替の面倒臭さはなくなったけれど、国と国のシステムの違いが希薄になり、物価の上下も確実に縮まっており、都市部を流れるオーラやブームに一瞬どの国にいるのか忘れそうになる。
もちろん地域ごとの文化や言語の多様性、 地表部が見えない蓄積された歴史の奥深さに観光や街歩きはいまだ楽しいけど。
なんかEUというよりUSE ( United States of Europe )という方がしっくりくる。
リガのバスステーションのATMでラトビアの自国通貨Latsを引き出せなくて焦ったり、
公衆トイレのユーロ30セントが高いと感じるのは、
スペインのペセタからフランスのフラン、イタリアのリラへの交換レートに悩みながらヨーロッパ旅行していた青年が中年パッカーになってしまった証拠かもしれない。
気がつくと列車はゆっくりとヴィリニュス駅を出発しており、
早起きとあってすぐに居眠り。
1時間ちょっとで起こされたかと思うとベラルーシとの国境だった。
トランジットビザを持っているので何一つ恐れることはないが、
車内に乗り込んできたイミグレ係員の男性が丹念にパスポートページ一枚一枚を見つめている。
これで入国スタンプを押されると思ったら別のおばさんがやってきてまたパスポートチェック。
今回の世界周遊のために新しく作ったパスポートとはいえ、
50カ国以上のビザやスタンプが貼られているし、
作成時に増補したこともあって分厚く、増補ページの縫い目の部分をルーペのようなもので透かしたりしている。
偽造パスポートでないか疑っているのだろう。
なんだかんだ自分一人に15分以上かかってやっと入国を認められた。
再び居眠りして目覚めると日が昇って間もない午前9時前に早くもミンスク到着。
実際の走行時間は2時間くらい。
ミンスク発キエフ行きの夜行列車22時40分までのタイムリミットは13時間半ちょっと。
と思ったら、ベラルーシはリトアニアやウクライナより1時間早いモスクワと同じ時差。
時計の針を1時間進めてタイムリミット12時間半になった。
両替所にて余っていた500ロシアルーブル(850円)を14ベラルーシルーブルに換えてもらう。
尚、つい最近まで1ドル=20000ベラルーシルーブルだったようだが、
デノミされてゼロ4個が切り捨てられて1ドル=2ルーブルと分かりやすくなった。
バックパックを地下の荷物預り所に1ルーブル(60円)で置かせてもらう。
ミンスクを丸一日かけて観光するために中央駅を出るとかすかに雪が舞っている。
それでもいかにもソビエト風の建物が圧巻だった。
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バックパックを地下の荷物預り所に1ルーブル(60円)で置かせてもらう。
ミンスクを丸一日かけて観光するために中央駅を出るとかすかに雪が舞っている。
それでもいかにもソビエト風の建物が圧巻だった。
すぐ近くに真新しいショッピングモールがあり、
夜行列車を待つまでの間に夕食をとれそうなフードコートがあった。
まずはミンスク中央駅近くの独立広場へ。
寒くて人通りが少なく、
ある意味モスクワ以上にソビエトっぽい雰囲気が漂っている。
全体的に白い建物が目立ち、どことなくトルクメニスタンの首都アシュガバードを思わせる。
立っている像は金ピカな大統領ではなくレーニンだったが。
政府関係の建物前に警備員が迂回しており、アシュガバード町歩きのように写真撮影に神経を使ってしまう。
モスクワでもそうだったが、広場の地下がデパートになっている。
小綺麗な店が多いものの、閑散としている。
白い建物群の中で唯一色のある褐色の教会を見て広場を後にする。
ミンスク町歩きの目的地は夜になるとライトアップされるという奇抜なデザインの国立図書館。
独立広場から8キロも離れているけど徒歩で向かってみる。
奇妙な形状の複合マンションのような建物がソビエト風であり、
人間味を感じさせないミンスクを象徴しているようだ。
アパートの一階が商店になっているようだが、
キリル語を解読できないと何の店なのか分かりづらい。
街中にカジノが現れ、歩行者の少なさをより強調される。
歩道橋から眺めると、つい前日までいたEUのリトアニアとの違いは顕著。
トランジットビザでやっと入れる国だけあって観光客は皆無である。
しばらく進むとブランド店や高そうなカフェが並ぶ大通りに出る。
白ばかりだった街並みが一変して褐色の建物で統一されている。
車道もさることながら歩道もやたら広いミンスクの大通り。
旧ソビエトの都市だけあって安食堂が見つけにくい。
まるでブームのようにマクドナルドなどの外資系ファーストフード店が目立っている。
それでもロシア風のデパートを見つけ、入ってみると予想していた通り安食堂があった。
ロシアで何度も通った食堂を表すキリル文字。
入り口でトレーにスプーン、フォークを置き、
ガラスケースの中のおかずを選んでいく典型的なロシアスタイルの食堂。
デパートの食堂というより殺風景な社員食堂のようだったが。
鮭入りのスープ、肉とイモの煮物にライスで5ルーブル(300円)とそこそこの安さ。
体も温まり、午後からの町歩き開始。
ギリギリ氷点下あるかないかの気温でたまに小雨が舞ったり、
車道の泥水が飛んでくるのがストレスになる。
国立図書館に向かってひたすら歩いていくと別の広場が現れる。
クリスマスツリーは巨大だが飾りっ気がなく、無機質なミンスクに合っている。
ベラルーシの国旗は赤と緑。
ベラルーシカラーが強風になびいている。
しばらく北上すると橋があり、橋を渡ってまっすぐ歩いているとロータリーに出くわす。
共産主義のシンボルのような塔がど真ん中に立っている。
あれ?
ミンスクではオリンピックが開催されていない気がするが。
庶民的なデパートがあったので休息。
寒い中ずっと歩き続けるのはしんどい。
デパートを出てから1時間近く歩き続けるとようやくそれらしき建物が見えてくる。
ちょっとばかりSF的でもあり、ソビエト感を脱却したベラルーシ国立図書館。
図書館の正面にもシンプルなクリスマスツリーが立っていた。
図書館の裏手ではマンション群の建設ラッシュ中。
この地域ではモダンな建物が増えるのだろうか。
ライトアップまで時間があるのでベラルーシ国立図書館に入ってみる。
ちょっと休憩がてらによく立ち寄る世界中の図書館。
しかしベラルーシでは入館にライブラリーカードが必要なそうで、
カードなしで入るには1ルーブル(60円)払い、カードを借りなければならない。
些細な金額で入ってみた図書館はいたってシンプルで、WiFiも奈ければ英語の本もなく、
軽く居眠りして過ごすだけだった。
外に出ると日は暮れているもののライトアップはまだ。
すぐ隣に逆にライトアップされたショッピングモールがあり寄ってみる。
が、オープンして間もないらしく、巨大なスーパーマーケットしか店舗が入っていなかった。
しばらく時間を潰して外に出るとようやく図書館がライトアップされている。
最初はLGの広告ボールのような姿。
ゆっくりとイルミネーションが変わり、ベラルーシカラーの赤と緑が回る。
他にも広告が流れたり、イルミネーションが変わっていくので数十分眺めていて飽きない。
寒さで震える手でiPhone動画を撮ってからイルミネーション鑑賞終了。
図書館とは思えないSF映画に出てきそうな装置が殺風景な闇に次から次へと色を撒き散らしていた。
図書館のイルミネーションのためだけに8キロ以上歩く価値があったかと聞かれると首を傾げてしまうものの、帰りはモスクワやサンクトペテルブルクに比べると味気のない地下鉄で戻る。
日中は無機質でだだっ広いだけの大通りも夜はライトアップされて綺麗だった。
ミンスク以外の街は見ることできずにベラルーシ丸一日滞在が間もなく終わる。
夜行列車で目覚めれば、8年ぶりのウクライナ、
前回は訪れなかった首都キエフにいるはず。
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