2014年3月30日日曜日

ベトナムのロシアンリゾート(2014年3月30日)

平和でのんびりした世界遺産ホイアンから一転して、
ベトナム随一のビーチリゾートであり、
深夜になってもバーから大音量のダンスミュージックが流れるパーティータウンのニャチャンに行く。

ホイアンからの夜行バスは19時に出発して、ちょうど12時間後の7時に到着。
ベトナム中部のホイアンからかなり南下したので暑そうだが、早朝はそれほどでもない。
前回2009年に訪れた際も宿泊したサクラホテルにチェックインする。
10ドルでケーブルテレビ、Wi-Fi、エアコン、バスルーム付きの部屋。
ベトナムの宿のコストパフォーマンスの良さを改めて実感してしまう。
暑くなってきたベトナムではエアコンがきいた部屋でネットサーフィンしたり、
映画を見たりとホテルの居心地さにはまりそうでこわい…。

サクラホテルを出て、街中を歩いてみると、
ここはどこだろう?、という疑問が湧いてくる。
リゾート中心地のレストラン、旅行会社の看板はキリル文字のロシア語ばかり。
世界の無国籍なリゾートと言えば、英語が標準語のように溢れているが、
ここニャチャンではベトナム語に次いでロシア語表記の方が英語表記より多い。
見かける西洋人も9割以上はロシア人かと思われる。
2009年には見かけなかったはずのロシア料理レストランも多い。
また、旅行会社の入り口に座っているのもロシア人で、
まるでニャチャンの中心部がロシア人街になっている様子だった。



あとで調べたところ、ニャチャンはここ数年でロシア人の避寒地となっているらしい。
特に北の大国がまだ寒い3月はベトナムの南国リゾートが人気なのかもしれない。

5年ぶりのニャチャンではダナンのように次々と新しいホテルが建設されているようだ。
シェラトンやインターコンチネンタルなどの高級ホテルが海沿いに並ぶ光景は既視感を生じさせる。
ベトナムらしさはなく、オーストラリアのゴールドコーストのような雰囲気も感じる。



ダナンでは見れなかったビーチをニャチャンで堪能する。
青い太平洋はやはり美しい。



香港で見たビーチに比べると若干海の透明度は低いものの、
噂に聞いていたような汚れた海水でもない。
青空の下、多くのロシア人が海水浴を楽しんでいる。
というより、たまに西洋人のバックパッカーや中国人観光客を見かけるくらいで、
ビーチで寝そべっているのはほとんどがロシア人。
平日の午前中だからかベトナム人の姿は少なく、異様な雰囲気だった。
自分は砂浜に座りながら、ビキニ姿のロシア人や物売りのベトナム人のおばさんを眺めたりする。



残念ながら、ニャチャンの海の美しさは時間制限があるらしい。
穏やかで透明だった海水は正午近くから波が強くなり、
正午を過ぎた頃には波のせいか潮のせいか、より透明度が低くなる。
ちょうど日に焼けて肩や背中、足が赤くなってきたのでビーチを退散する。
が、すでに遅かったようだ。
翌日には日焼けのせいでリュックを背負うのも辛くなったのは言うまでもない。

ニャチャンにはビーチ以外にもチャム遺跡の観光スポットがある。
興味深いが物価が高いロシア人街を離れて、街の北側にあるチャム遺跡に行ってみる。
歩くと1時間近くはかかり、前日の日焼けのせいで背中や足が痛かったが、
ベトナムらしいニャチャンの町並みを見ながら歩くのは楽しい。
橋を渡るとチャム遺跡に到着。
到着早々、大勢のロシア人を乗せたツアーバスがやってきて圧倒されたが、
どちらかというと寡黙で、見ていて興味深いロシアからの観光客は悪くない。
若干修復されたのか奇麗になった遺跡を日陰で眺めた。
ジャングルの中にあるミーソン遺跡とは違い、
街中に急に現れるニャチャンのチャム遺跡は高台にあり、
眺めもいい。




残念ながら、ビーチリゾートのせいか、
これまでのベトナムで一番物価高のニャチャンだが、
3日間ビールを飲みながらのんびりするにはいいところだった。
ニャチャン名物?のロシア料理高くて食べれなかったのが悔い残る。





2014年3月26日水曜日

ベトナムで世界遺産巡り(2014年3月25日)

ベトナムは世界遺産が多い。
有名なハロン湾やフエ、そしてホイアンの旧市街、ミーソン遺跡。
ホイアンはお気に入りの街で今回で3度目の滞在だが、
ホイアンから日帰りで行けるミーソンはまだ行ったことがなかった。
3度目の正直でぜひ行かねば。
すでに5ヶ月経過した世界遊牧住み渡りにおいてまだ遺跡を見ていないので、
これから向かうアンコール遺跡群の前の初遺跡としてタイミングがいい。

天候が優れなかったフエに3泊し、ホイアンの前に途中にあるダナンに寄る。
ベトナムを縦断する旅行者のほとんどが世界遺産のフエとホイアンは必ず訪れているっぽいが、
ダナンはスルーされている気がする。
ビーチがあるリゾートという以外に見所がないからかもしれない。
自分自身、ベトナムはこれまで3回縦断したが、ダナンは1回のみ。
2002年にラオスのサワンナケートから国際バスでたどり着いた自分にとって、
生まれて初めてのベトナムの街だった。

フエから3時間ほど旅行者専用のツーリストバスに乗り、ダナンで降りると、
どちらかというとベトナムらしくないモダンなリゾート地で、
オフシーズンなのか静かでのんびりとしており、
それでいてヤシの木々と青い空で明るく美しい街なので、
瞬間的に長居したくなってしまう街だが、
安宿が存在しなかった。
ロンリープラネットに載っていた一番安そうなニュームーンホテルでも1泊350000ドン(1800円)。
1泊だけして翌日にはホイアンに向かう。

ダナンの街は東側は太平洋、北西はダナン湾、
そして太平洋に沿って南北に川が流れており、
川の周辺はブティックホテルや洒落たカフェが並んでいる。
生まれて初めてベトナムを訪れ、ダナンを見た時は野暮ったい街に感じられたものの、
12年も経てば川沿いはかつての面影もないほど開発されており、
海に面したというより、リバーサイドリゾートって感じがする。
ベトナムらしからぬ超モダンなビルも建設中らしい。




残念なことに、太平洋、ダナン湾のビーチは両方とも開発中らしく、
ビーチに入れない状況だった。
リゾートホテル客専用のプライベートビーチにするのかもしれない。
柵を立てるならまだしも、いやらしいことにビーチの視界を完全に遮る壁が海沿いを囲っており、
まったくもってビーチの様子をうかがえなかった。
せっかくのリゾートで近場のビーチが見れないのだからやはり1泊で十分である。

翌日はダナンからわずか1時間でホイアンに到着。
以前からそうだったがより人気のある観光地になったらしく、
世界遺産の旧市街は西欧諸国からの貴婦人、バックパッカー、アジア圏の団体ツアーに個人旅行者と、
小さくまとまったホイアンの人口密度を超過している。

かつて国際貿易港として発展し、
中国人街や日本人街があった旧市街は黄色のパステルカラーで家屋が統一されている。
旧市街はバイクの乗り入れが少なく、ほぼ歩行者天国となっているため静かで、
電柱のスピーカーから流れるピアノのゆったりとした音色が気分を和らげてくれる。
お店も提灯やベトアム雑貨、民芸品を売るアーティスティックなショップばかり。
派手でけばけばしく、観光客のエンターテイメント重視の中国の観光地よりずっと趣がある。




ホイアンの黄色い世界ではカメラを休める暇がない。
ベトナム傘帽子を被ったおばちゃんたちが妙に黄色い世界に溶け込んでいる。




夜になると、ホイアンの旧市街は赤提灯が無数に灯る幻想的な街になる。
提灯を売る土産屋からレストランを飾る提灯、樹木の枝から何気なくぶら下がる提灯もいい。




また、川沿いでは願いを込めて流すろうそく売りの子供達がいるのだが、
可愛らしいろうそく売りについつい川に流すためだけに買ってしまう人が多いだろう。





ホイアンは4日間のんびり滞在するので、
1日はツアーでもう一つの世界遺産ミーソン遺跡に行ってみる。
ホイアンからバスで1時間ほどの密林にあるチャンパ王国の遺跡。
有名なカンボジアのアンコール遺跡群と同様、ヒンドゥー教の聖域だったらしい。



今現在のアンコール遺跡群の状況は分からないものの、
ミーソンは小さいので観光客の人口密度が大きすぎる。
そういう自分も30人くらいの西洋人、中国人、韓国人が集まるツアーに参加したのだが。
規模としては東南アジアの他の遺跡と比べ物にならないけれども、
今回の住み渡りでは初めての遺跡、
5ヶ月間で数えるほどしかない観光名所のひとつなのでかなりテンションが上がってしまう。
かつて訪れたシリア、レバノン、ヨルダン、エジプトではかなりレベルの高い遺跡を前に、
また遺跡か…と、遺跡ばかりでくたびれていたのに勝手なものである。
ガイドの説明を聞きつつ、アンコールを彷彿させるミーソンを堪能する。




帰りは途中までバスで、残りはホイアンまでボートでプチクルーズ。
木彫り工房を訪れたり、川から地元の生活風景を眺めたりと、有意義なツアーだった。
来月訪れるアンコール遺跡群は以前と同様自転車で回りたいが、
ガイド付きで楽なツアーもいいと実感してしまった。





小さな世界遺産、黄色い世界のホイアン旧市街は西日を浴びてより黄色さが増す。
夕日を反射させた川の水面も見とれてしまう。
日が暮れれば、再び無数の赤提灯が灯り、幻想的な世界になる。
まだまだ長居してもいいな、と思える街だ。








2014年3月23日日曜日

暑いラオスから霧雨のベトナムへ(2014年3月22日)

連日、最高気温35度以上の猛暑のサワンナケートからベトナム中部の古都、フエに入った。
フエは寒くもなく、暑くもない適温で過ごしやすいものの、霧雨だった。

サワンナケートの最終日は曇っていたので、
ラオスで定番の川沿いの屋台でのビールで締めくくることはできず、
モーテルのように奇麗で居心地いいLeena Guest Houseから少し歩き、
メインの通りにあるこじんまりとしたカフェに入ってみた。
Cafe Chai Deeという名前で西洋人のカップルがビールを飲みながら寛いでいた。
本の交換やオリジナルTシャツも販売している。
なんとメニューには日本食があり、カツ丼があったので、
ラオス最後の夕食はカツ丼で締めくくった。
英語でしか会話してないので分からなかったが、
ひょっとしたらずっとラオス人と思っていたカフェの青年は日本人だったのかもしれない。




3月20日はいよいよベトナムへ。
2002年にもサワンナケートからベトナムにバスで国境越えをしており、
当時は22時発の夜行バスでダナンに向かったのだが、
古い日本製のバスは座席の下から通路まで缶ジュースや食品やらの輸送品でいっぱいで足の置き場がないほど窮屈で、
ベトナムに入ってからいろんな場所で積荷を降ろす作業があり、
また、なぜか早朝に到着した国境で正午までの5時間以上待たされるはめになり、
結局ダナンに到着したのが夜の9時過ぎ、24時間近い過酷なバス旅だった。
そんなトラウマがあってか、今回の午前9時発フエ行きのバスは深夜に到着するのではという不安があった。
ただ、バスチケット売り場の窓口で尋ねたところ、11時間と言っていたので、
12年の歳月も経てば国境越えがスムーズになったという期待もある。

今回は積荷が一切なく、エアコンまできいたモダンなバス。
カナダ人のカップルとアメリカ人の女性、そして自分と外国人は4人いた。
乗車前に皆が手に持っているパスポートを見る限り、
ラオス人はいないようで、外国人意外は皆ベトナム人のようだ。

エアコンがきいたバスは快適で居眠りばかり。
正午前に昼食タイムがあり、午後2時には早国境だった。
確か2002年は雨が降っており、道が悪過ぎたのか、
国境に着くまでに6時間以上かかった気がする。

驚いたのは国境越えのスムーズさで、なんと1時間ちょっと。
ラオス側で2時間、ベトナム側で2時間は待ってやろうと身構えていた自分が笑えてしまう。
どういうわけか、ベトナム人はラオス出国時にもベトナム入国時にも
パスポートに紙幣を挟んで意味グレの係員に渡している。
ラオス出国時にはどこからか現れた若者が外国人のパスポートを集めて、
1人から20000キップ(250円)ほどを要求していたが、
自分はキップの残高がなかったので、貴重な中国紙幣だと言って、
1元の半分の5角紙幣(8円)を渡してやったが特に何か言われることはなかった。
一方、ベトナム入国時のイミグレは賄賂の要求もなく、
逆に拍子抜けしてしまう。
やはり12年も経てばかなりスムーズになっているらしい。


ベトナムに入ってからは整備されたアスファルトのおかげでよりスムーズ。
前回のように5、6回の輸送品荷下ろし作業で時間をとられることもないので、
なんと午後7時にはフエに到着してしまった。
2002年にダナンまで24時間、途中のフエまで20時間近くかかった国境越えバスは
2014年はわずか10時間と進歩を遂げていた。

到着したフエはあいにくの霧雨。
一時は最高気温38度だったラオスから来ると、気温は低く過ごしやすいが、
降っているのか降っていないのか分からないような霧雨にちょこっと陰鬱になったりもする。

ホテルは前回も利用し、日本人にも人気のビンジュオンホテル1に行ってみたが、
満室ということで初日は4年前に出来たばかりというビンジュオンホテル4に案内された。
12ドルと東南アジアの物価では安くはないが、
衛星テレビ、エアコン、冷蔵庫、バスタブ、広々とした窓に、
ラオスでは体験できなかった高速のWiFiにも繋がり、コストパフォーマンスの高さを実感してしまう。



ホテルをすぐ出ると、路上にプラスチックの椅子を並べた屋台やカフェがあり、
これこそベトナムっぽいと感じる。




フエは王宮や川沿いのパゴタで有名な古都だが、
かつての3度のベトナム訪問で2回ずつ見たので今回はパス。
ぶらぶらと歩きながら、王宮を囲む壕や川を眺めたりする。



観光地の訪問も面白いけど、
路上の人々を見てるだけでも十分面白い。
ベトナム人にはついつい視線を止まらせる何かがあるような気がする。




また、歩き疲れたらカフェでシントーと呼ばれるフルーツシェイクで休んだりする。
アボガドのフルーツシェイクはやはりどこで飲んでも美味しい。



フエの街にはタイにあるようなショッピングモール、BIG Cがあったりする。
モダンな店も増えているようだ。



霧雨続きのフエではあまり歩き回らずにのんびりと過ごしてしまう。
ハノイやホーチミンシティのような慌ただしさのないフエではのんびりさせてくれる空気があるようだ。
まぁ、気分がのらない天候のせいもあるけれど。