2014年3月26日水曜日

ベトナムで世界遺産巡り(2014年3月25日)

ベトナムは世界遺産が多い。
有名なハロン湾やフエ、そしてホイアンの旧市街、ミーソン遺跡。
ホイアンはお気に入りの街で今回で3度目の滞在だが、
ホイアンから日帰りで行けるミーソンはまだ行ったことがなかった。
3度目の正直でぜひ行かねば。
すでに5ヶ月経過した世界遊牧住み渡りにおいてまだ遺跡を見ていないので、
これから向かうアンコール遺跡群の前の初遺跡としてタイミングがいい。

天候が優れなかったフエに3泊し、ホイアンの前に途中にあるダナンに寄る。
ベトナムを縦断する旅行者のほとんどが世界遺産のフエとホイアンは必ず訪れているっぽいが、
ダナンはスルーされている気がする。
ビーチがあるリゾートという以外に見所がないからかもしれない。
自分自身、ベトナムはこれまで3回縦断したが、ダナンは1回のみ。
2002年にラオスのサワンナケートから国際バスでたどり着いた自分にとって、
生まれて初めてのベトナムの街だった。

フエから3時間ほど旅行者専用のツーリストバスに乗り、ダナンで降りると、
どちらかというとベトナムらしくないモダンなリゾート地で、
オフシーズンなのか静かでのんびりとしており、
それでいてヤシの木々と青い空で明るく美しい街なので、
瞬間的に長居したくなってしまう街だが、
安宿が存在しなかった。
ロンリープラネットに載っていた一番安そうなニュームーンホテルでも1泊350000ドン(1800円)。
1泊だけして翌日にはホイアンに向かう。

ダナンの街は東側は太平洋、北西はダナン湾、
そして太平洋に沿って南北に川が流れており、
川の周辺はブティックホテルや洒落たカフェが並んでいる。
生まれて初めてベトナムを訪れ、ダナンを見た時は野暮ったい街に感じられたものの、
12年も経てば川沿いはかつての面影もないほど開発されており、
海に面したというより、リバーサイドリゾートって感じがする。
ベトナムらしからぬ超モダンなビルも建設中らしい。




残念なことに、太平洋、ダナン湾のビーチは両方とも開発中らしく、
ビーチに入れない状況だった。
リゾートホテル客専用のプライベートビーチにするのかもしれない。
柵を立てるならまだしも、いやらしいことにビーチの視界を完全に遮る壁が海沿いを囲っており、
まったくもってビーチの様子をうかがえなかった。
せっかくのリゾートで近場のビーチが見れないのだからやはり1泊で十分である。

翌日はダナンからわずか1時間でホイアンに到着。
以前からそうだったがより人気のある観光地になったらしく、
世界遺産の旧市街は西欧諸国からの貴婦人、バックパッカー、アジア圏の団体ツアーに個人旅行者と、
小さくまとまったホイアンの人口密度を超過している。

かつて国際貿易港として発展し、
中国人街や日本人街があった旧市街は黄色のパステルカラーで家屋が統一されている。
旧市街はバイクの乗り入れが少なく、ほぼ歩行者天国となっているため静かで、
電柱のスピーカーから流れるピアノのゆったりとした音色が気分を和らげてくれる。
お店も提灯やベトアム雑貨、民芸品を売るアーティスティックなショップばかり。
派手でけばけばしく、観光客のエンターテイメント重視の中国の観光地よりずっと趣がある。




ホイアンの黄色い世界ではカメラを休める暇がない。
ベトナム傘帽子を被ったおばちゃんたちが妙に黄色い世界に溶け込んでいる。




夜になると、ホイアンの旧市街は赤提灯が無数に灯る幻想的な街になる。
提灯を売る土産屋からレストランを飾る提灯、樹木の枝から何気なくぶら下がる提灯もいい。




また、川沿いでは願いを込めて流すろうそく売りの子供達がいるのだが、
可愛らしいろうそく売りについつい川に流すためだけに買ってしまう人が多いだろう。





ホイアンは4日間のんびり滞在するので、
1日はツアーでもう一つの世界遺産ミーソン遺跡に行ってみる。
ホイアンからバスで1時間ほどの密林にあるチャンパ王国の遺跡。
有名なカンボジアのアンコール遺跡群と同様、ヒンドゥー教の聖域だったらしい。



今現在のアンコール遺跡群の状況は分からないものの、
ミーソンは小さいので観光客の人口密度が大きすぎる。
そういう自分も30人くらいの西洋人、中国人、韓国人が集まるツアーに参加したのだが。
規模としては東南アジアの他の遺跡と比べ物にならないけれども、
今回の住み渡りでは初めての遺跡、
5ヶ月間で数えるほどしかない観光名所のひとつなのでかなりテンションが上がってしまう。
かつて訪れたシリア、レバノン、ヨルダン、エジプトではかなりレベルの高い遺跡を前に、
また遺跡か…と、遺跡ばかりでくたびれていたのに勝手なものである。
ガイドの説明を聞きつつ、アンコールを彷彿させるミーソンを堪能する。




帰りは途中までバスで、残りはホイアンまでボートでプチクルーズ。
木彫り工房を訪れたり、川から地元の生活風景を眺めたりと、有意義なツアーだった。
来月訪れるアンコール遺跡群は以前と同様自転車で回りたいが、
ガイド付きで楽なツアーもいいと実感してしまった。





小さな世界遺産、黄色い世界のホイアン旧市街は西日を浴びてより黄色さが増す。
夕日を反射させた川の水面も見とれてしまう。
日が暮れれば、再び無数の赤提灯が灯り、幻想的な世界になる。
まだまだ長居してもいいな、と思える街だ。








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