アルメニアのイェレバンに10年ぶりに訪れる。
前回はトビリシのバスステーションからマルシュルートカでイェレバンまで移動したので、
今回は夜行列車で国境越えしてみる。
中央アジア諸国の旅が終わると、以前訪れたジョージア、アルメニア、イラン再訪の旅となり気楽さがある。
でも油断大敵。
ジョージアのクタイシで激しい下痢に襲われ、軽い脱水症状でフラフラの中トビリシに戻ってきた。
トビリシのホステル•ジョージアにて旅人たちとの再会、新しい出会いもあったけれど、
下痢が完治していないのでお酒はブランデーが有名なアルメニアまでお預けとなった。
トビリシ駅でアルメニアのイェレバン行きの列車チケットを購入した際に三等申し込みのはずがなぜか二等になっていた。
料金は69ラリ(3500円)と高くてがっかり。
二度目の訪問で気が緩んでいる国だからこそちょっとしたミスや勘違いが多い。
再び日本人旅行者と一緒に行動するアルメニア、イランでは浮かれすぎずに気を引き締めたいところ。
20時20分の夜行列車に乗るべく、19時半過ぎにホステル•ジョージアの若い旅行者たちと別れる。
またウズベキスタンのヒバからトルクメニスタン、カスピ海を渡ってアゼルバイジャンのバクーまで一緒だったマキヨさんと再会し、
イラン入りが同日程なのでアルメニアも共に廻ることにする。
確認せずに料金を払ってしまった自分と違い、マキヨさんは安い三等寝台のチケットを購入していた。
自分はすごすごと1000円以上も高い二等のコンパートメントに乗り込む。
隣のコンパートメントでポーランド人の若いバックパッカーが4人酒盛りをしているようで深夜までやかましかった。
寝台に仰向けになり睡魔がやってきた頃に起こされる。
23時頃にジョージア出国。
パスポートを車掌に預けるだけで荷物チェックもなし。
何かと億劫な中央アジアのウズベキスタン、トルクメニスタンを離れると国境越えが簡単になっていく。
24時前にアルメニア側の国境に到着。
ここで同車両の中国人、イラン人も含めて列車から降ろされてイミグレオフィスに直接足を運ぶ。
酔っぱらいのポーランド人は降りていないので、アルメニアビザが不要なのかもしれない。
他の外国人は順番に呼ばれ、ビザ代として3000ドラム(750円)を払い、
パスポートにビザシールを貼ってもらう。
これで10年ぶりのアルメニア入国。
肌寒いプラットホームを歩いて列車に戻り、再び動き出すのを待った。
開放寝台に比べ、閉め切ったコンパートメントは暑苦しく、
たいして熟睡できないまま6時に車掌に起こされる。
ギリギリまで寝ていたくてもシーツ回収があり、まどろみながら車窓を眺めているとイェレバンに到着した。
Wi-Fiが繋がる駅の待合室でしばらくネットサーフィンしてからリダの家へ。
リダの家は昔から日本人が集まる民宿として有名。
2005年のイェレバン滞在時は駅近くの大きな樹木を目印に探したが見つからず、
ホステル•ジョージアの情報ノートの地図を頼りに探すと見つかった。
リダの家はすでに10人以上の日本人、韓国人旅行者で混み合っている様子。
1泊1500ドラム(380円)は安いものの、Wi-Fiなし、シャワーなし。
1000ドラム(250円)の公共シャワー代を含めるとお得感がない。
迷った末に南旅館で出会った旅行者にすすめてもらったクラシック•ホステル•イェレバンに移ることにする。
料金は2600ドラム(650円)とリダの家の宿泊費+シャワー代と変わらないし、
広々とした豪邸のリビング、キッチン、Wi-Fiとメリットが多すぎる。
クラシック•ホステル•イェレバンは地下鉄の終着駅Barekamoutiounを降りて数分、
アルメニア虐殺博物館も徒歩圏内、近くにスーパーや酒屋もあって立地がいい。
10年ぶりのイェレバン街歩き。
アルメニアは美女と野獣の国とよく言われている。
世界屈指の美人大国であり、一方男性は映画の悪役が似合いそうな人が目立つ。
通りを歩いていると確かに鼻が高い美人が視界に飛び込んでくる。
また、最近知ったのだが、ザリガニを安く買って食べられることで有名らしい。
道端でザリガニの看板を見かけたり、立ち寄った市場で生きたまま大量に売られているザリガニを目にする。
夕飯にぜひザリガニを食べてみたい。
市場を出てすぐに以前も訪れた小綺麗なデパートがあった。
2005年と内装がまったく変わらず、
デパートの窓から見える褐色の石造りのマンション群も当時のままで懐かしさがこみ上げる。
少し北に進むとバザール向かいにアルメニア正教の教会がある。
教会のデザインは幾何学的で色も統一されており、モダンさも備えている。
内部に入ると賛美歌が流れており、ちょうど日曜日のミサの最中だった。
神聖な雰囲気に立ちすくんでしまう。
グルジア正教同様、女性は頭にスカーフを巻いている。
教会を出た石段でもアルメニア美人に釘付け。
目的なく歩いているだけで目の保養になるイェレバンである。
褐色の石造りの建物に囲まれた共和国広場がイェレバンの中心。
ちょうどマラソン大会が開催されており、広々としたロータリーで交通の流れがなくて清々しい。
運が悪いことに雲が多く、アルメニア人が崇拝するアララット山の展望は望めないが、
エスカレーターで高台に登ってみる。
エスカレーターの脇や段差になっている屋外のテラスにはアート作品のようなオブジェが展示されている。
意味不明な作品群にアルメニアらしさを感じる。
最上段に登るもアララット山はまったく見えず。
現在トルコの領土となっている富士山のようなアララット山は遠く雲の向こう。
まだイェレバン初日なので晴れた日の夕方なんかに出直したい。
夕飯はザリガニを載せたパスタにする。
クラシック•ホステル•イェレバン近くのスーパーで生きたままのザリガニ9匹を560ドラム(140円)で購入。
噂に聞いていたとおり格安でザリガニにありつける。
さらに酒屋でアルメニア名物のブランデーを一本買う。
ザリガニパスタの隠し味もかねて3年ものの安めのアララット•コニャックを4200ドラム(1050円)で手に入れた。
ホステルのキッチンには塩やガーリックパウダーがあり、同室の中国人のおじさんに油と胡椒をもらったシンプルな味付けにし、ザリガニの味を際立たせる。
ビニール袋からザリガニ9匹を器に移すと、すぐさま逃げ出し、
元気いっぱい大所を這いずり回り始める。
熱湯にぶち込む前に温水で洗うと動きが鈍くなる。
温水で早くも四肢が赤く染まったザリガニもいる。
パスタを茹でている鍋にザリガニたちを投入すると、すぐに赤く変色した。
フレッシュなザリガニは茹でただけで美味しそうだ。
最後はアルデンテのパスタを塩胡椒、ガーリックパウダーで軽く炒め、
グラス一杯のアララット•コニャックを注いでじゅっとなったら、大皿に盛りつけて完成。
買ったばかりのブランデーをちびちびやりながら食べるザリガニはフレッシュでジューシー。
エビともロブスターとも違う味で美味しかった。
エビ同様茹でると見の部分が小さくなるので、次回はもっと大量に買いたいと思うザリガニパスタの初夜だった。
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