2015年11月25日水曜日

カタール航空のドーハ乗り継ぎでフリーツアー参加&街歩き(2015年11月1日)

オーストラリア、ニュージーランドを含めて2年間過ごしたアジアを舞台とした住み渡りはイランで終了。
3年目はイスタンブールからヨーロッパ、北アフリカ、北中米を周遊する。

テヘランからイスタンブールに飛ぶ際に湾岸諸国のカタール、クウェートにストップオーバー。
テヘラン〜ドーハ〜クウェートのフライトにカタール航空を利用し、
ドーハ18時間のトランジットの合間に市街を訪れてみる。
カタール航空主催のフリーツアーや実際にカタールの空港アライバルビザを取得して自分の足で街歩きする方法がありそうだ。


朝から晩まで雨が降る肌寒いテヘランを去る。
アルメニアのイェレバンで再会し、3週間のイラン周遊を一緒に過ごしたマキヨさん、サチコさんともお別れ。
ビシュケクのサクラゲストハウスや南旅館、カザフスタンやウズベキスタン、トルクメニスタン、ジョージアでもちょこちょこ会ったり、旅の道程を共にした2人とはまたどこかの国で会えるかもしれない。


思えば、7月上旬に中国のカシュガルからキルギスタンに入ってから、
中央アジア諸国のビザ取得耐久戦がビシュケクであり、
長居したサクラゲストハウスと南旅館で多くの日本人旅行者との出会いに恵まれ、
その中の何人かとカザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア、イランで一緒に旅したり、偶然再会したりした。
今年の夏を挟んだ4ヶ月間、1人になったのはウズベキスタンのテルメズ、サマルカンドで一日ずつ、アゼルバイジャンとジョージアの数日だけで、ほとんどの日々において日本人旅行者とかかわり、日本語での会話が毎日のようにあった。
海外旅行に出てまで日本人とつるむとは…と否定的な意見もあるけれども、
出身、職業、バックグランドが異なる老若男女の日本人と旅好きという共通点だけで意気揚揚楽しめることはそうないだろう。
2015年の夏休み旅はこれまでの人生36年間でかつてないほど旅仲間との交流を満喫していた気がする。





10月31日午前4時20分発ドーハ行きのフライトにあわせて早いが19時にテヘランのマシュハド•ゲストハウスを去る。
マキヨさん、サチコさんとも再びの再会を期待しつつここでお別れ。
小雨が舞う中、急ぎ足でエマムホメイニ•メトロ駅に向かう。
肌寒いにもかかわらず心底から高揚感が湧くのは1時間前にマシュハド•ゲストハウスのロビーでイラン最後のシーシャを吸ったからでないだろう。

エマムホメイニ•メトロ駅からLINE1に乗り、南の終着駅で降りる。
大きなモスクが雨の雫に霞むメトロ駅入口で待機しているタクシードライバーと交渉し、
35万リアル(1200円)でエマムホメイニ国際空港まで行ってもらう。
ムスリムの休日金曜の夜だからか空港へのハイウェイはすいており、
感慨に浸るまもなく空港に到着。
エアポート•フリーWi-Fiも繋がらず、フライト3時間前の午前1時20分まで5時間以上あるので、
地上階の高めのレストランでフライドチキン&ガーリック•クリームパスタを食べて待つ。
31万リアル(1050円)と空港までのタクシー代と変わらない値段で、街中のケバブなら3食分にあたる。




iPhoneで旅の写真を眺めたり、アジアで過ごした2年間を思い返しながらのんびりとチェックインカウンターが開くのを待つ。
多くの日本人旅行者と4ヶ月近く充実した時間を過ごしていたので、
久しぶりに自分ひとりになるといろんな思考が渦巻いてくる。

24時半にセキュリティチェックを抜けてカタール航空のチェックインカウンター向かい、
ブルガリア人の団体客に紛れて列に並ぶ。
ここで当初の予定が崩れる。
テヘラン10月31日の午前4時20分発でドーハ午前5時55分着、
ドーハ11月1日の午前1時50分発でクウェート午前3時20分着の航空券。
テヘラン空港でドーハ行きの分だけチェックインし、
ドーハ空港でアライバルビザを取得して丸一日街歩きし、夜空港に戻ってからクウェート行きを改めてチェックインするつもりだったが、手持ちの航空券はドーハ乗り継ぎであり、空港外に出られないとチェックインカウンターのイラン人女性に言われる。
無知そうな女性だったので別の男性に尋ねるとドーハ空港でのアライバルビザ次第という。
いずれにせよ、テヘランでクウェート行きまでチェックインさせられ、
機内預け入れのバックパック受取はクウェート空港の到着時になってしまう。
一度ドーハ空港で入国審査後に荷物を受け取り、空港で金を払ってバックパックを預かってもらって街歩きを試みるつもりだったとはいえ、カタール入国自体の不安が募る。
おかげでバンコク〜北京以来5ヶ月ぶりの飛行機で気分うきうきになるはずなのに機内で不安を紛らわせるべく寝るしかなかった。

テヘラン〜ドーハ、わずか2時間の慌ただしいフライト。
離陸してまもなくコーヒーも出ない朝食を食べ、
映画一本観る時間もないので目前のパーソナルエンターテインメントをいじり、
世界地図を眺めながら仮眠をとる。




目覚めるとすでにドーハ空港に着陸していた。
空港に入ると肌寒かったテヘランと明らかに異なる空気を感じる。
シンガポールのチャンギ国際空港のようにモダンであり、
熱帯アジアの近未来的な空港で嗅いだことがあるエアコンの匂いがアラブ人や独特なオーデコロン、
西欧人やフィリピン人女性のブランド香水、インドやパキスタンからの男たちの汗臭さと混ざって漂っている。
イラン人一色のテヘランと違い、空港スタッフや免税店の店員のほとんどがフィリピン、
南アジアからの外国人労働者。
初めて訪れる国の空港なのに既視感を抱いてしまうのはドバイやシンガポールのようにカタールも外国人労働者で成り立つ国だからだろうか。


空港に到着するとまずアライバルとトランスファーで方向が分かれる。
いきなりアライバルの入国審査に直行し、カタールビザを取得してドーハに繰り出すことも考えたものの、午前4時20分のフライトだったため睡眠時間1時間でほぼ徹夜。
もう少し仮眠もとりたい。
尚、テヘランからの飛行機で機内誌に目を通したところ、
乗り継ぎでドーハ観光希望の場合、アライバルではなくトランスファーに向かい、
スタッフの指示をもらうようにと書かれていた。
実際にアライバルとトランスファーの分岐点でフィリピン人男性スタッフに尋ねてみると、
トランスファーへのセキュリティチェックを終えてからトランジットルームのツアー専用デスクで市街フリーツアーを申し込めると教えてくれた。
とりあえずトランジットルームからのフリーツアーに参加して空港に戻ってから、
改めてアライバルビザを入国審査でビザ取得し自由に街歩きを試みるのも悪くない。

中東ナンバー1と称されるドーハの新国際空港、
ハマド国際空港は2014年にオープンしてまもなくウルトラモダン。
最新のUKポップが流れていたり、世界都市を網羅するカタール航空利用の西欧人やアフリカ人、中東の人々、アジア系とグローバルな雰囲気で数時間前に無味乾燥なテヘランの空港にいたことが信じがたい。
エアポート•フリーWi-Fiもさくさくだった。



トランジットルームを彷徨い、インド系の空港スタッフに尋ねまくってようやく小さすぎるカタール航空ツアー専用デスクを発見する。
今では懐かしい東南アジア系の女性スタッフに今夜午前1時50分発のクウェート行きの航空券を見せ、フリーツアーについて説明してもらう。
ミニバスで2時間ドーハを観光して空港に戻るツアーは一日数本あるそうだ。
詳しく聞いてみると、フリーツアー参加前のイミグレ手続きでカタールビザを取得すれば、
ツアー終了時にグループと分かれて街歩きができるという。
専用のバウチャーをもらってビザ代不要で2時間ミニバスで観光するのは物足りないので、
ビザ取得してツアーバスが空港に戻る前に市街で降ろしてもらうことにした。
アライバルビザは100リヤル(3300円)。
フリーツアー参加のためドーハ市街までの交通費が浮くのもいい。
夜帰る際はもちろん自分でローカル交通手段で戻らないとだめだけれども。

ツアーガイドがネパール出身の男性、ツアーグループが香港人、日本人、スペイン人、
韓国人、ロシア系と人種のるつぼのようだ。
アジア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、中東を結ぶカタール航空主催のツアーだけはある。


空港を出たミニバスが最初に停車したのが半円の弧を描いたドーハ湾南側、
斬新なデザインのイスラムアート博物館の近く。


湾を挟んで高層ビル群が密集するニュードーハのスカイラインを一望できる。
一人当たりのGDPがルクセンブルグ、ノルウェーに次ぎ世界3位のカタールを象徴しているようだ。
中近東、湾岸諸国の戦争のイメージを払拭するモダンな都市を見れただけでドーハに来た価値がある。



ミニバスが高層ビルの乱立する海に沿った道路を走る。
斬新なビルの建設ラッシュが進むニュードーハ。
ツアーガイドがロンドンとバルセロナ、ドーハのみに存在する幾何学的な高層ビルや
ドーハで一番高いビルなどを説明してくれる。


ドーハで一番大きいと言われるショッピングモールを通過してからカタール文化村に寄る。
UAEやオマーンなどあまり相違を見出せられない湾岸諸国にも伝統文化がある。




ドーハでバイクの運転が禁止されていることや、石油が水より4倍も安いこと、
ドーハのアラブ人は人口の30%で、南アジア系やフィリピン人などの外国人労働者が残りという情報をツアーガイドが教えてくれる。
また、人工島パールを訪れる。
地図で見ると真珠の形を想起させる。


ペルシャ湾を埋め立てて造られた島であり、カタールで唯一外国人が不動産を購入出来る地域らしい。
フェラーリ店や高級なブランド店が並ぶ。
F1のフェラーリカーも展示されている。




スークがあるドーハ中心地で2時間のツアーが終わり、少しの自由時間の後空港に戻るようだ。
自分の足で中心地を廻れるので、ツアーグループを離れて先に通過したドーハで一番大きなショッピングモールで降ろしてもらう。
尚、ツアーグループで入国審査時にビザを取得して街歩きするのは自分ひとりだった。
ドーハの概要がツアーで分かり、これから夜まで自由に歩き回れるので開放感がある。


何はともあれ、ATMでカタール通貨のリヤルを引き出す。
50リヤル(1600円)あれば十分食事をしたり、自力で空港に戻れるだろう。


テヘランからのフライトで5時頃に朝食が出たけれど、フィリピン人が働くフードコートで朝マックで早い昼食をとる。
エッグ、ソーセージ•マッフィン、コーヒーで12リヤル(400円)。


ほぼ徹夜でのドーハ入りするも仮眠をとることなく街歩き開始。
せっかく100リヤルのビザ代を出したのだから時間を無駄に出来ない。
ショッピングモールを出ると高層ビル群がそびえるニュードーハにテンションも高くなる。
シンガポールやドバイのように斬新な建物が目立つ。




中東のシンガポールと形容しても大袈裟でないドーハのスカイライン。
高層ビルフェチにとって眺めているだけでたまらない。




同じく高層ビルが密集する東京、香港、ニューヨークで見かけないSF的な建築物が目立つ。
未来に向かっていまだ建設ラッシュが進んでいる様子がドーハらしい。




雨模様で寒かったテヘランから30度越え、日射が強いドーハに来ると体がこたえる。
一度ショッピングモールに戻り、フリーWi-Fiでネットサーフィンして休息。
イランでありえないアップロードとダウンロードの速さににんまり。
VPNオープンのアプリを使ってもイランで3週間ろくにアクセスできなかったFacebookも当たり前のように閲覧できた。

午後の街歩きは弧を描いた海に沿った遊歩道をひたすら南下。
ツアーガイドに説明してもらったロンドンとバルセロナ、ドーハにしかない奇抜なビルがそびえている。


強烈な日差しで暑いが、清々しい海沿いの街歩き。
こんな都会なのに海水は意外と澄んでいる。



ある程度歩いて振り返るとニュードーハのビル群が規則正しく並んでいる。


遊歩道の芝生ではヤシの木の日陰でカタール人家族がピクニックしている。
アラブの男性の白い衣装、女性の黒い衣装が海の色に映える。


1時間以上のんびりと歩けばドーハ中心地に近づく。
湾の向こうにニュードーハのスカイラインが絵画のように広がっている。


午後5時前の日の入りまで時間があるので、中心地のスークも探索。
暑い午後だからかスークの店の多くは閉まっており、男性が昼寝していた。




観光客が集まるスークの広場は屋外レストランが並び、
シーシャを吸うアラブ人や観光客がちらほらいる。
中近東のイメージ通りのアラブ世界であり、同時にイメージを覆す平和な光景。




夕焼け観賞までの早い夕食はパキスタン食堂にて。
外国人労働者が集まるドーハにおいて南アジア系の食事はそう高くない。
大盛りのチキン•ビリヤニが10リヤル(330円)。



西日が大きく傾いてきた頃、不思議な形のモスクを見つつ、海沿いに向かう。
モスク向かいの広場ではアラブ風のカフェが出ており、
シーシャを吸う人々が増えている。



ドーハ街歩きの締めくくりとして夕日に染まる高層ビル群を眺める。
あまりにも充実していたドーハのストップオーバーを実感。
潮風が体温をクールダウンさせてくれる。



日が沈み、ニュードーハがライトアップされるまでとうとう居眠りしてしまった。
目を覚ますとすでに闇の中に浮かび上がった夜景。
真珠のような輝きをほんのりと放つドーハ。
何年か先にまた訪れたいと思うドーハだった。



19時前に中心地のバスステーションから市バス747番でハマド国際空港に戻り、
快適すぎるトランジットルームでクウェート行きのフライトを待つ。










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