2014年7月24日木曜日

12年ぶりのアロースター(2014年7月23日)

マレーシアの北部にアロースターという町がある。
ペナンからタイのハジャイに向かう際に多くの旅行者が素通りしてしまうそうだが、
2002年にマレーシアからタイの国境を越える前に、
あえてアロースターに一泊し、翌日列車でハジャイに向かった。
当時マレーシア最後の町として見て回った印象はマレー系が圧倒的に多く、
ショッピングセンターは閑散として活気がなく、
特にカラフルなペナンの直後は明るさを感じられない町だった。
旅行者を見かけることもなく、
モスクとテレコムタワーの展望台に訪れる以外はみどころなかったと思う。

何よりも最悪だったのは宿がひどすぎたこと。
観光客が訪れる町ではないので、高いホテルばかりで、
ようやく見つけた中華系の安宿は連れ込み宿。
シャワーの設備がなく、天井が筒抜けで騒がしく、
臭くて、暗くて、汚い部屋だった。


旅とは不思議なもので、
もう二度と訪れないと思っていた町を12年ぶりに訪れることもある。
2002年以降、何度かタイとマレーシアの国境越えのたびに
当たり前のように素通りしていたアロースターに…。

今回はランカウイ島へ向かうボートが出るクアラケダーの途中なので寄ってみる。
やはりガイドブックには安宿は載っていないので、
宿泊料金が高めだった中国以来、久しぶりにインターネットでホテルを探し、
そう高くないホテルをネット予約しておいた。

ペナンのジョージタウンからはバターワース行きの渡し船、
というには大き過ぎる船に乗り、マレーシア本土へ。
バターワース港で降りてすぐにバスの客引きから声がかかり、
バターワース行きのバスに乗れた。
11リンギット(330円)と安いのは距離が短いからだろう。

ほぼ常識と化してきている町の郊外にあるバスステーション。
アロースターでも予バスステーションから約したホテルまで歩ける距離ではないので、
周囲の人に尋ねて、
市バスに乗り換えて町の中心に向かう。

Googleの地図を頼りに予約したホテルに向かうが見つからず。
場所が変わったのか、Googleが間違っているのか。
人に尋ねると、ホテルの名前だけで場所が分かったらしく、
行き方を丁寧に教えてくれた。

マレーシアにしては珍しく、やたら野良犬が多い界隈を抜け、
テレコムタワーを見渡せる場所にBee Garden Motelがあった。
1600円と安くはないが、旅行者をまったく見かけないアロースターだし、
エアコン付きの部屋なのでしかたがない。
ただWiFiが部屋で繋がらなかったり、エアコンの温度調整ができないのがたまにキズ。




12年ぶりにアロースターを街歩きして感じたのは
あまりにも町が変貌していないこと。
有名なモスクは2002年から外装が変わっていない。



マレー系の人が多い屋内市場は以前同様のんびりしており、
むしろラマダーン中のため、より活気がなく感じられてしまう。




そして、まさかとは思ったが、
当時の記憶をたよりに狭い中心部を歩いていると、
2002年に一泊した連れ込み宿の三山ホテルがあった。
今でもシャワーがなく、天井が筒抜けの薄暗いボロ宿なのだろうかと近づいてみると、
さすがにつぶれてしまったのか、下の階は別の中華系商店になっていた。
ホテルの名前がいまだに建物についているのは伝説のようだ。



かつてハジャイ行きの列車に乗った町外れの駅に寄ってみる。
アロースター駅は比較的大きめの町の駅とは思えないほどこじんまりとしており、
北海道の田舎にあるような駅だった。
12年ぶりに訪問すると、なんと駅の建物自体はまだ存在しているものの、
つい最近閉鎖してしまったようだ。


すぐ隣にはつい先日オープンしてまもないようなモダンな駅がある。
昔ながらののんびりしたアロースターには不似合いなほど近代的で逆に面白い。




アロースターの中心部はラマダーンの影響か12年前よりも静かで、
2時間もぶらぶらしていたら退屈になってくる。
以前より中華系が増えたのか、
冷たいコーヒーやミルクティーを飲みながら寛げる中華茶餐室が目につく。
セルフサービスの中華料理はマレー料理が食べられないランチタイムには好都合。





アロースターの夜のライトアップは美しい。
夜のテレコムタワーはモダンな輝きで、
展望台が低くなければ、2002年に続きもう1回登っていたかもしれない。
ただテレコムタワーからの眺めは哀愁が漂う寂しさがあったので2回目はない。



奇妙なことにテレコムタワー近くのBee Garden Motel周辺には中華系の夜市、
フードコートがたくさんある。
同じ一本の通りに開いているところだけで4つもあった。
クアラルンプールやペナンでも夜市の密集地帯はなかった。
中心部とは雲泥の差の活気である。




夜市、フードコートで満足な夕食を終え、
ライトアップされたモスクを見に行く。
ちょうどお祈りの時間で多くの人々が訪れており、
モスク前の噴水では子供が戯れている。
夜になっても子供が遊び回る平和な町はいい。





かつてもう来ないと思っていたアロースターを12年ぶりに訪れ、
しかも1泊ではなく、2泊もし、
これだから旅はやめられないと思った。


エアコンが効き、快適な部屋にいるのになぜかなかなか寝つけれなかった。
数日前から自覚していたのだけど、ちょうど7月22日で旅人生16年目を迎えた。

大学3年の夏休みに人生初海外旅行でアメリカ縦横断してから15年が経過…。

あれからオーストラリアでワーキングホリデーをしたり、
東南アジアとインドを半年放浪したり、
北海道を出て東京に住み始めたり、
ロンドンで語学留学したり、
ユーラシア大陸をロンドンからバリまで横断したり、
新宿の会社に出戻りしたり、
2年間かけて中東、アフリカ、ヨーロッパ、南米、アジアを周遊したり、
再びの東京で4年以上生活したり、
仕事の合間に友達と短期旅行にも行ったりしてきたけど、
いまだに旅に浸かっている日々。

何度か長い旅はこれで終わりにして1箇所に落ち着こう、と思ったり、
わざわざ家族や友人に告知してみたものの、
映画やF1観たり、友達と美味しいレストラン行ったり、
居酒屋で騒いだりするよりも
大好きな旅、旅生活…。

20代の頃は自分探しだの、
今後の人生のための糧だのと、
少なからず手段として旅してきたつもりが、
いつの間にか旅自体が目的となっている。

昨年10月に日本を出て、
中国、東南アジアと南下してきた「世界遊牧住み渡り」と勝手に名づけた長期旅行は何かのための手段ではなく、
旅の日々に浸かり、旅を満喫することだけが目的。
ただぶらぶらと市場や路地を歩き回っているだけで満足。

体力的にも、金銭的にも、あてのない長期放浪を一生続けるのは不可能だろう。

でも、モチベーションが下がるどころか、
街歩きが楽しくてしょうがない今現在はまだまだ旅を続けたいと思う。
少なくとも、あと3年くらいは…




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